歯科衛生士という仕事の価値

少し前の話ですが、大手前学院に歯科衛生士の学科が新設されるという事で、その記念講演会に行ってきました。
あまりにも楽しく良い話でしたので、少しご紹介させて頂きたいと思います。
自称: 生まれ変わったら歯科衛生士になりたい糖尿病内科医師という西田瓦先生のお話で、歯科衛生士という仕事の価値、意義を伝えてくれました。

西田先生はご自身が歯科衛生士さんの指導と歯周病治療によって糖尿病が改善し、命を救われたそうです。

衛生士さんの指導により、晩ご飯の後お口の中をキレイにするようになってから、夜食を食べなくなった事が糖尿病予防になったそうです。
そして、歯科衛生士さんによるケアで糖尿病が良くなった事を実感できたそうです。
講演会は「担当衛生士制が一人の人生を変える事ができる!」という話から始まりました。
オオマチ歯科クリニックでも担当衛生士制をとる事で、担当衛生士が患者様のお口の中だけでなく全身の状態や生活環境の変化をも把握できるようになったので、患者様のことを深く知れるようになり、ドクターも担当衛生士と相談しながら患者様の治療計画を立てる事も増えるようになりました。
さらに衛生士という仕事は「生まれて来る命をも守る仕事」という話にもなりました。
歯周病という病気は、血液を通ってばい菌が全身にいく病気であり、つまり胎児に影響を与えるので死産の可能性もあり得るのです。
そして歯周病という病気をわかりやすくお話ししてくれました。
歯周病という病気は、歯と歯茎の間にある溝に炎症が起こる病気です。
そして、その溝の面積はすべて足すと実は手のひらと同じぐらいの面積になるのです。
つまり、歯の溝が炎症を起こしているという事は、手のひら大の生傷があるのと同じ状態ということになります。
ところで皆さんは口の中の細菌(ばい菌)の数はどれぐらいいるかご存知でしょうか?
答えは数千億個です!
つまり歯周病になっている口の中では、ご飯を食べるたびに、手のひら大の傷口に毎日ばい菌を塗りつけるようなものです。
さらに、口の中で唾液は1日1.5L出るのですが、唾液には食品から栄養を取り込む為の様々な効果があります。つまりお口は体の水源であり、唾液は湧水なのです。
つまり、歯周病になるとキレイな湧水を肥溜めにしてしまうのです。
実は歯周病によって骨が溶けるのは、歯周病菌を殺す為に自分が勢い余って自分の骨をばい菌ごと溶かしちゃう為なのです。
例えれば、口の中は毎日ばい菌と免疫の戦争が起きており、ばい菌と戦う事で免疫が爆撃で骨を溶かし、崩壊させてしまうようなものです。
こうやって、わかりやすい言葉を選んで終始会場を楽しませながら学びを提供してくれました。
そして、実演実習を行いながら、診療前に患者さんの前から話しかける事の大事さも教えてくれました。
当院では最近虫歯や歯周病にならない為の予防歯科という分野に力を入れているので、大変共感を覚えましたし、歯科における歯科衛生士さんの重要性、さらなる可能性を改めて感じさせてもらいました。
西田先生は大変面白い先生で、多分学生さん達にも興味を持ってもらいやすい様にオカマ調の喋り方でインパクトを持ってお話してくれました。
大変楽しく本当に素晴らしいお話でした。

自分の仕事の価値を感じる事ができる、自分の仕事に誇りを持てるという事は、仕事をする上で非常に大事な事だと思います。そしてその事を伝えてくれた西田先生も、その事を伝える為にこのような講演会を実施する大手前学院も本当に素晴らしいと思いました。

当院にお越しいただいているフリーランスの先生(歯科衛生士さんの教育をしてくれる先生)も、「常に自分達の仕事に誇りを持って仕事するように」とおっしゃってくれています。そのような教育の中で育った衛生士さんは本当に幸せだと思います。
超高齢化社会に突入した近年では、二人に一人は認知症になる時代になりました。
最近では、その一部のアルツハイマー病の原因の一つに歯周病がある事が明らかになりました。その他にも歯周病がたくさんの病気に関係している事がわかってきています。
もしもっと詳しくお知りになりたい方は、当院の予防歯科のページも参考にしてみてください♪
オオマチ歯科クリニックでは、健口から健康、そして健幸へをスローガンに、全ての患者様にとって治療に来ていただく歯医者さんではなく、治療をしない為に通う歯科医院を目指して日々進化を続けたいと思います。