インプラント治療の骨造成とは??

皆さま、こんにちは!

塚口オオマチ歯科・矯正歯科で助手兼事務をしております植野と申します!

みなさんはインプラントと言う言葉をご存知ですか?

最近、患者さまからインプラントについての質問をよく耳にします。

インプラント治療とは、歯が失われた場所に歯の根に代わるもの(人工歯根と呼ばれるもの)を埋めておき、それが骨としっかりくっついたのを確認した段階で人工のかぶせ物を作製し、天然歯が生えていた頃と同様の機能性と美しさを回復させる治療法となっております。

素材はチタンで、金属アレルギーの心配がほとんどなく、骨と一体化する性質を持っています。

部分的に抜けてる方も、全ての歯が抜けてしまっている方にも最適な治療方法になっています。

そんなインプラント治療ですが、顎の骨に人工歯根をいれる為には顎の骨の量が一定以上必要となります。骨の量が不足していると手術でインプラントが骨を突き抜けたり歯肉から露出したりする原因になります。

その為、骨量が足りない方は骨造成という骨を増やす治療が必要となってきます。

今回はその骨造成についてお話ししていきたいと思います!

まず、骨量が減っている理由として以下のようなパターンが考えられます。

1、歯周病が進行している

まず歯周病ですが、『歯肉炎』『歯周炎』に分けられ、歯周炎まで進行してしまうと歯茎だけでなく顎の骨にまで炎症が広がり歯を支える骨が溶けてしまいます。重度の歯周病で歯がグラグラと動き始めるのはその為です。日本人が歯を失う理由の第一位と言われており、定期的に歯のクリーニングに通って頂くことがとても大切です。

2、歯の根っこの先で膿が溜まっている

過去にむし歯の治療で神経を除去した場所に細菌が入ってしまい増殖し炎症が起きるケース、むし歯を放置した結果、神経が侵食されてしまい炎症が起きるケースが考えられます。

歯の根っこの先で膿が溜まってしまうと歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶けて破壊されるため激しい痛みが生じます。

★骨造成の方法

当院ではこの2つの術式を用いて骨造成をしています!

『①サイナスリフト』

サイナスリフトは、上顎の骨の高さが足りない場合のうち、上顎の骨の高さが5mm以下の場合に適用される方法です。
歯茎(頬側)の歯肉を切開して骨を取り除き、骨と粘膜を剥がしてスペースを作り、骨補填材などを充填します。その後、取り除いた骨を戻し、歯肉を元の位置に戻し縫合します。

一般的にソケットリフトと呼ばれる術式では骨造成と同じタイミングでインプラントを植立することが多いですが、サイナスリフトは6ヶ月ほど骨造成を待ってからインプラントを植立することが多いです。

①麻酔

②骨補填材を充填するための小さな穴を作る

③骨補填材を充填する

④骨に作った穴をふさいで剥離した歯肉を戻し切開した箇所を縫合します。

『②GBR法』

GBR法は、顎の骨幅や高さが足りない場合に採用される方法です。骨誘導再生療法とも呼ばれます。
歯肉を剥離して骨補填材を置き、その上を特殊な保護膜で覆います。3~6ヶ月すると骨が再生されて骨量が増えます。
造骨量があまり多くないときはGBR法とインプラント埋入を同時に行いますが、造骨量が多い場合などは骨が再生されてからインプラント埋入を行います。
また、高さを増やすための造骨量が多く必要とされる場合には非吸収性の保護膜を用いることがあり、その場合は骨が硬く再生されたことが確認されたタイミングで取り除きます。

①麻酔

②歯肉を剥離します。

③骨を再生させるための場所を決め、保護膜(メンブレン)で空間を造ります。

④造った空間に、骨補填材を注入します。

⑤保護膜(メンブレン)を歯肉で覆って縫合し、骨が再生するのを4~9ヶ月待ちます。

★骨造成のメリット・デメリット

メリット

1.骨量が不足していると言われた方でもインプラント手術を受けることができます。

2.骨造成によって足りない骨を補填するこができれば、自ずとインプラント体の安定性も高まります。

3.骨が少ない箇所は、歯ぐきが下がってしまい周囲とのバランスが悪くなってしまいます。骨造成によって骨に厚みや高さを持たせられると、バランスが改善され審美性が向上します。

デメリット

1.骨造成手術後、顎骨の再生が完了するまで経過観察が必要なため、通常のインプラント手術より治療期間が長くなってしまいます。

2.骨造成(GBR法・サイナスリフト)を行う場合は、術後3日をピークに10日間程度、痛みや腫れがでます。 痛みは鎮痛剤で抑えられることが多いですが、腫れや青あざがでることが多いです。

3.インプラント治療に加えて別途費用がかかってくるので治療費が高くなってしまう傾向がございます。

骨が痩せていることでインプラント治療を諦めなければならなかった方でも、骨を増やす治療を行うことにより、インプラント治療を選択できるようになりました。
どの骨造成の方法を選ぶのが最も効果的で安全性が高いのかを主治医に判断してもらい、丁寧に説明してもらった上で、納得して治療を進めて頂ければと思います。

治療に関して不安に思われる事もあるかと思います。

その際はカウンセリングのお時間を取り、きっちり説明させて頂きますので、お気軽にご相談ください!

また治療期間だけでなく治療後もメンテナンスにて診させて頂きますのでご安心ください!