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「歯の神経の治療って?」

2022年03月08日

歯科医師の河村です。

今日は虫歯が大きいと、神経の治療になるかもしれない、もしくは神経を抜かなければいけない、などの言葉をよく耳にすると思います。

ただ、実際イメージがよく湧かないかと思いますので、神経の治療について説明したいと思います。

神経の治療、根っこの治療とよく呼ばれる根管治療ですが、専門的には大きく分けて「抜髄」と「感染根管治療」の2つに分かれます。

まず、歯の構造の中には「歯髄」と呼ばれるところがあります。そこには神経や血管が流れており、栄養もそこを通って補給されています。


その歯髄に対する治療が「根管治療」と呼ばれるものです。

抜髄は、虫歯が大きくて細菌が歯髄まで達している場合に、生きている神経を取り除く処置のことをいいます。

感染根管治療は、すでに死んでしまっている神経は細菌感染を起こしており、根っこの中の感染物質を取り除くことで、根っこの先の炎症を抑える治療です。

感染根管治療は歯髄が壊死した状態であったり、過去に根管治療がされた歯の再治療が対象となります。
根っこの先に膿が大きくできてしまっていると、歯を抜かない限り直接膿を触ることは難しいので、根っこの管の中をお掃除することで膿を少なくするのには限界があったり、時間が掛かります。


そのため、この治療の成功率は約60%と言われています。

神経を抜く治療をした後のデメリットとして、その歯には栄養が補給されにくくなってしまうので、歯の寿命が短くなってしまったり、強い力がかかると破折しやすくなってしまいます。そのため、最終的に被せ物を作っていくことが多くなります。
また、治療が終わっても将来的に根っこの先に膿が出来てしまうこともあります。そうなると再治療が必要になったり、なかなか治らなかったり難しい治療になっていくことがあります。

虫歯が大きくなった時の必要な治療ではありますが、こういった面があるので大きい虫歯ができる前に小さい虫歯の段階で治療すること、もしくは虫歯ができる前に予防していくことがとても大切になります。
今ある歯を生涯使えるように、定期検診で守っていきましょう。