矯正といえば、ブラケットという器具を歯につけて針金を通し矯正するのが一般的な方法です。歴史ある治療で、効果が確約されており、どの地域でも治療を受けることができますが、目立ちやすく老若男女問わず不評です。
しかし、透明のマウスピースを歯に装着するマウスピース矯正なら、口を開けても目立たずそれほど気になりません。矯正治療は治療期間が長い為、見た目が大切な仕事の方などにも有効です。人と話す職業の方や、多くの方と出会う場に出かける方でも始めやすいのは大きなメリットです。
ブラケットや針金は自力では外すことはできません。矯正中は24時間ずっと付けている必要がありますが、マウスピース矯正は自分の意志で簡単に外すことができます。1日の装着時間は20時間以上が基本であり、つけなければ効果がでないばかりか、悪影響もでるのでつけておく必要がありますが、写真をとる時や、食事中など少しの間は外しても問題ありません。
矯正中は虫歯になりやすいといわれていますが、器具を外して歯磨きできるため、いつもどおりのケアが可能です。
ワイヤー矯正(一般的な針金で行う矯正)に使われるブラケットやワイヤー・バンドは金属製で、ニッケルやクロムなど金属アレルギーの原因となる物質を含んでいる場合があります。
心配な方は事前にパッチテストを受けることも可能ですが、付けている間に発症する例も珍しくはありません。すでに金属アレルギーである・不安だという方でも、金属不使用のマウスピース矯正なら安心安全に歯並びを綺麗にできます。
マウスピースの脱着時には動かされていた歯の違和感や引っ張られる感覚もありますが、装着時の痛みはほとんどありません。慣れてしまえば、まったく痛みを感じない方もいます。ワイヤー矯正よりも痛みが少ないことが大きなメリットと言えるでしょう。
簡単に取り外しできるマウスピースなら、虫歯の治療やホワイトニングなど歯科の治療を平行して行うことも簡単です。虫歯の治療が終わるまで待つ必要もなく、矯正を中断する必要もないため、時間のロスは少ないといえます。ただ、一つの型でたくさんのマウスピースをつくる為、歯の形がかわると矯正に影響がでる場合もあります。基本的には虫歯治療が終わってから、矯正治療に入ります。
強いねじれや、大きく歯を動かす必要がある場合にはかなりの時間がかかります。時間がかかると、費用も多く必要になり患者さんの負担が増えることになります。
複雑な矯正が必要な場合は、ワイヤー矯正が向いていますが、どうしてもマウスピース矯正を取り入れたい場合は、部分的にワイヤー矯正を取り入れるなど両方を使った矯正がおすすめです。
ただ、当院では、マウスピース矯正の勉強会で御登壇されている先生にもご協力をいただいていますので、ほとんどの症例が対応可能になっております。まずは一度ご相談ください。
簡単に外せるからと、外している時間が長くなると矯正の効果は出にくくなります。出にくくなるだけでなく、治療がスムーズにいかなくなったり、逆に歯並びに悪影響を及ぼすこともありますので注意が必要です。基本は1日20時間以上の装着が必要で、歯磨きや飲食の時間以外は取り外ししないよう心がけましょう。
柔らかい食べ物が増え、テレビを見ながら食べる「ながら食べ」の影響から、咀嚼回数が少なくアゴの小さな子供が増えています。
アゴが小さいと歯が並ぶスペースも少ないため、歯並びが悪くなってしまうのです。
小さいうちからの矯正はワイヤー矯正の方が有効です。始める時期は、乳歯の残る小学生1・2年生がベストですが、症状によってはもう少し早くから始める場合もあり、顎や体の成長が止まるまでに終わらせることで矯正の後戻りも少なく、歯を抜かなければいけない可能性も減るのでメリットも大きいです。気になる場合は早いうちから相談することが望まれます。
マウスピース矯正は永久歯が萌えそろった12才頃から有効です。
一般的なワイヤー矯正の場合、上下に装着すると初期費用70万円+調整料5,000円(税別)/一回(だいたい月に一回の来院です)程度の費用がかかります。マウスピース矯正にはいくつか種類があり、
前歯だけの見た目改善を目的とするマウスピース矯正の場合は20万円+10,000円/(税別)/一回(だいたい月に一回の来院です)
奥歯までしっかりとかみ合わせを含めて治すマウスピース矯正の場合は80万円+3,000円(税別)/一回(だいたい月に一回の来院です)です。
大人の歯が萌えそろうまでの間に終わる小児矯正であれば30万円+調整料5,000円(税別)/一回(だいたい月に一回の来院です)で矯正可能ですが、その後、永久歯が萌えそろってからの矯正に移行する場合は40万円(税別)の追加費用がかかります。
管楽器などを演奏する方は、歯だけでなく顔の筋肉や舌・唇をフル活用しており、些細な違いが集中力や音に反映するため矯正をためらう方も多くみられます。
楽器を演奏中に口唇粘膜を傷つけ出血してしまうなど、痛みも伴うため音楽家だけでなく、部活や趣味で楽器を演奏する方には切実な問題ですが、マウスピース矯正ならこれをクリアできます。
演奏前に簡単に脱着できるので、特別な手続きなどは必要ないのもいいですね。ただはずしている時間が長いとまったく動きませんので、治療期間が長くなりあらゆるリスクがふえますので、その点だけはご注意下さい。また、専門的に技術を高めている方や、プロの方などは歯並びで音に影響がでるという話も聞きますので、そういった方はご相談下さい。
カール・ルイス選手は矯正器具をつけたままオリンピックに臨み金メダルを取るなど、人とぶつからないスポーツであれば、激しく動いても矯正器具がそれほど邪魔にはなりません。
しかし、格闘技はそうは行きませんね。レスリングや空手など顔に打撃を受ける可能性があるスポーツでは矯正器具が凶器になってしまう場合もあります。
矯正は1年以上かかるため、格闘技をお休みするというのは現実的ではありませんね。しかし、マウスピース矯正ならつけたまま競技にでることも可能です。
とはいえ、あまり激しく食いしばると損傷してしまう可能性もあるため、一度ご相談下さい。
セラミッククラウンをかぶせたままでは金属の装置をうまく接着できない、接着しても跡が綺麗に消せないというデメリットがあり、仮歯を入れて矯正に臨む必要があります。
マウスピース矯正は、脱着が自由なのでセラミッククラウンを傷つけたり、跡が付くといったこともありません。
しかし、矯正前につくったセラミックは矯正前のかみ合わせに合わせてつくっていますので、矯正治療後に作り直しをお勧めする場合もございます。
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