歯周病菌と癌について

皆さま、こんにちは。

近ごろ口の中の細菌が、誤嚥性(ごえんせい)肺炎や
動脈硬化などの全身疾患を引き起こす因子であることが注目されています。

近年、歯周病と癌の関連性も指摘されていることをご存知だったでしょうか?

国立がんセンターの調査で、
食道癌の細胞からトレポネーマ・デンティコーラという歯周病菌が
高い割合で検出されたといいます。

口腔から食道粘膜に下りてきた歯周病菌によって炎症が起き、
それが持続すると正常細胞のDNAが傷んでしまいます。

最終的に発癌に結びついている可能性が高いのではないか と考えられているようです。

また、九州歯科大学が、男女約824人を10年以上にわたって追跡調査した結果

失った歯の数が多いほど、胃癌や大腸がんなど
消化器系のがんで死亡する確率が高まる可能性があると分かったそうです。

参考: 西日本新聞

こうした歯の喪失との因果関係はがんで亡くなった人だけで、
脳卒中や心臓疾患で亡くなった人には見られなかったそうです。

歯を失ってしまうと、補綴(ほてつ) —被せ物や入れ歯— 治療をしても
咀嚼(そしゃく)能率 —噛む力や食べ物を細かくする能力— が落ち、
消化器系の臓器に負担がかかることが一因ではないかと分析されたそうです。

2013年の日本での死因順位(※1)は、

第1位…悪性新生物(36万5000 人)
第2位…心疾患(19万7000 人)
第3位…肺炎(12万4000 人)

と続きます。

参考: 厚生労働省

いずれの死因も口腔内細菌との関連性があるということに、大変 驚きます。

歯周病を治すこと、口の中を清潔にすることが、
虫歯や歯周病の予防になるだけでなく、万病の予防にもなります。

今後はメタボ対策のみならず、歯周病対策も健康の秘訣となっていきそうですね。