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歯周内科
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歯周病チェック
2つ以上チェックが入ったら歯周内科治療を考えましょう
- 歯ぐきの腫れや赤み
- 歯ぐきからの出血(特に歯磨きや硬い食べ物を噛んだとき)
- 口臭が強くなる
- 歯ぐきが下がり、歯が長く見える
- 歯がぐらぐらと揺れる感じがする
- 歯茎を押さえると膿が出るときがある
- かむときに痛みを感じる
- 歯と歯の間に隙間ができる
- 冷たい水を飲むと歯がしみて痛い
- 口の中がネバネバする感じがする
みなさん「歯周内科治療」を知っていますか?
いまや国民病ともいわれている歯周病は歯を支えている骨がプラーク(歯垢)中に含まれる細菌の出す毒素によって破壊されていく怖い病気です。原因は歯周病原因菌と言われる細菌です。これまでの歯周病治療は、歯ブラシで歯の表面のプラークをゴシゴシ除去して口の中の細菌数を減らす、また細菌の住みかとなる歯石を取る治療が主で、歯周病が高度に進行して治療で改善が認められない場合は手術することが主流でした。
しかし、近年薬の進歩に伴い、歯周病菌に効く抗菌薬(飲み薬)を使って殺菌してしまおうという考え方が出てきました。この考え方は「歯周内科(内科的歯周病治療)」と呼ばれています。薬を多用し過ぎることは耐性菌が発現してしまうので避けなければいけませんが、薬を効果的に用いて歯周病菌を除菌することで歯周病をこれまでよりも楽にコントロールすることができます。
当院でもこの内科的歯周病治療を2024年5月から導入しています。
従来の歯周治療と
歯周内科治療の比較
この表では「従来の歯周治療と歯周内科治療の違い」が一目で分かるようになっています。
自分の症状や希望に合った治療法を選ぶ際の参考にしてください。
項目 | 従来の歯周治療 | 歯周内科治療 |
---|---|---|
① 適応症 | 軽度から中程度の歯周病に適応 | 中程度から重度の歯周病、または再発予防に適応 |
② 治療方法の特徴 | 歯石や歯垢を物理的に除去する。必要に応じて手術を行う。個々人の病態には対応難しい。 | 抗生物質で細菌を抑える。口腔内の細菌検査に基づいて個々人の病態に合わせて治療を行う。 |
③ 検査方法 |
1950年代からの伝統的な歯周ポケット検査とレントゲン撮影 |
口腔内の顕微鏡細菌検査、最新のPCR検査 |
④ 治療効果 |
歯石を取り除き、歯周ポケットを減少させる。効果が出るのに時間がかかる |
即効的。細菌を除菌して炎症を減らす。再発を防ぐ効果がある |
⑤ 治療期間 |
多くの場合、多数回の治療が必要(数か月から2年程度) |
基本的に3カ月 |
⑥ 治療の負担 |
治療中に痛みや不快感があることが多い。手術が必要な場合がある。 |
比較的痛みが少ない。薬の服用や使用が主。 |
⑦ 治療費 |
保険適応 |
保険適応外 |
⑧ 利点 |
保険が適応できるため、どこの歯科医院でも受けることができる。 |
非侵襲的で痛みが少ない。一定の研修を受けた歯科医師、歯科衛生士でないと治療できないため、レベルが保たれる。 |
⑨ 欠点 |
治療中に痛みや不快感があることが多い。手術リスクがある |
抗生物質耐性菌ができる可能性がある。 |
歯周内科治療の流れ
STEP01
位相差顕微鏡で口の中の細菌の状態を確認
まず患者さんのお口の中からプラーク(歯垢)を採取して、位相差顕微鏡で確認します。どなたの口の中にも細菌は存在していますが、細菌の種類には個人差があります。特に歯周病に深く関わる悪い細菌(歯周病原性細菌)が多く存在する人は注意が必要です。
その確認のため位相差顕微鏡を使ってプラークの中に含まれる細菌の状態を最初に必ず確認します。 この時点で歯周病原性細菌が多く存在し、活性化(活発に動いている)している方には歯周内科治療を強くお勧めます。
STEP02
歯周病菌除去薬(ジスロマック)の内服、防カビ効果の歯みがき剤
(ファンギゾンシロップ)の使用
ジスロマック
ファンギゾンシロップ
ペリオバスター
主に2種類の薬を使用します。ジスロマック(マクロライド系抗菌薬)という歯周病菌に効く薬とファンギゾンシロップ(アムホテリシンBシロップ)というカビ菌に効く薬です。存在する菌によってさらに1.2種類のお薬を合わせてお飲みいただきます。
まずジスロマックを3日間内服してもらいながら、ファンギゾンシロップを歯ブラシに1~2滴滴下しての歯磨きを朝、昼、寝る前の1日計3回を一週間継続してもらいます。 通常抗菌薬は3時間から6時間ほどでその効果は減少してきますが、ジスロマックの半減期は7~14日という特徴があり、少ない投与回数で非常に長い期間、体の中で効果を発揮するため、数ある抗菌薬の中でも歯周内科治療ではこのジスロマックを治療薬として選択しています。
そして最初の一週間はファンギゾンシロップを使って歯磨きをしてもらいますが、その後は耐性菌ができないようにペリオバスターを使っての歯磨きを継続してもらいます。
STEP03
プロフェッショナル・クリーニング
その後、再度患者さんの口腔内からプラーク(歯垢)を採取し、位相差顕微鏡やPCR検査で精密に歯周病細菌の種類や数が改善しているかを判定していきます。歯周病菌やカビ菌が除菌でき、薬の効果が確認できたら、今度はお口の中のクリーニングをします。歯ブラシでは取れない歯石やバイオフィルムの汚れを歯周病治療の専任衛生士が専用の器材で取ります。
STEP04
定期的なメインテナンス
歯周病は感染症です。除菌後の良い状態を維持するためにも、定期的なメインテナンスはとても重要です。
再感染予防のためにも、歯科医院での定期的な顕微鏡検査、プロフェッショナル・ケアが大切です。
よくあるご質問
-
どれぐらいの治療期間
ですか?お薬を飲む期間は1週間
ファンギゾンシロップでのうがいが1ヶ月
歯磨き指導や歯周基本治療(歯のお掃除)も含めて約3ヶ月程です。
アポイントの状況次第で長引く場合もあります。