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IQOSは本当に安全?歯科衛生士の見解と影響
歯科衛生士が監修したIQOSに対する見解
2016年から人気が急騰した電子タバコIQOS(アイコス)。全国的にその存在が知られるようになり、品切れが続出しました。2020年の東京五輪で「タバコのない五輪」を掲げた影響もあり、受動喫煙対策が強化され、たばこ税の増税が進められています。
2017年9月1日より、日本最大手のフィリップモリスジャパンは1箱あたり10円の値上げを発表しましたが、IQOS専用スティックの価格は据え置かれています。これにより、ますますIQOSユーザーが増加する可能性が高まっています。
歯科の立場で、なぜタバコがダメなのか
歯科衛生士の立場から、タバコの害について検証します。
紙巻きタバコの煙には、タール、ニコチン、一酸化炭素を含む6,000~7,000種類の化学物質が含まれています。このうち、約70種類が肺がん、心臓病、肺気腫などの原因となるとされています。
特に歯科に影響を与えるのはタールと一酸化炭素です。タールは歯や歯ぐきにヤニとして付着し、着色を引き起こします。一酸化炭素は歯ぐきの血流を阻害し、歯周病の進行を加速させる要因になります。
血流を阻害することで治癒力も低下し、抜歯後の止血が困難になることがあります。また、タバコに含まれる化学物質が薬の効果を薄め、歯周病治療の効果を減少させることもあります。
たばことIQOSの決定的な違いは何なのか
2017年の初頭から、IQOSに切り替えたという患者さんが増えました。そんな中、IQOSユーザーから「ホワイトニングをしたい」という相談を受けました。
フィリップ・モリス社は、まだ詳細な学術論文を発表していませんが、IQOSユーザーの歯への影響について歯科衛生士の観点から調査・報告します。
目に見えてタールが少ない、これは!?
まず紙巻きタバコは、葉を燃焼させて吸引しますが、IQOSでは「ヒートスティック」を高温で加熱する方式です。
左がIQOSのヒートスティック、右が紙巻きタバコです。紙巻きタバコではフィルター部分が茶色く変色しますが、IQOSのフィルターは変色がほとんど見られません。
また、葉っぱの部分は高温で加熱されているだけで、燃焼して灰になることはありません。
IQOSでは、タールを含む化学物質が大幅に減少し、口腔内への影響も少ないと考えられます。
まとめ
現状では、IQOSは紙巻きタバコより歯への着色が少ないことが確認されています。しかし、タバコの葉から化学物質を摂取している点では変わりません。したがって、歯周病や抜歯などの治療を受ける方にとっては禁煙が望ましいと考えられます