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しっかり噛むことの重要性とお餅がのどに詰まる理由
先日、私の所属する研修会でWEBセミナーを開催しました。内容は、口や歯の構造に基づく口に備わった高い防御機能についてでした。その中で、しっかり噛むことの大切さとよく噛むことの重要性についても話があり、非常に興味深い内容だったので、皆様にも共有させていただきます。
お餅がのどに詰まる理由
高齢者の方が年末年始にお餅を食べてのどに詰まらせ、毎年何名かが亡くなってしまうというニュースを耳にします。では、なぜお餅がのどに詰まるのでしょうか?
しっかり噛まずに大きいものを飲み込もうとすれば、ものがのどに詰まるのは容易に想像できます。しかし、細かくちぎったとしても詰まることがあります。これは意外な盲点かもしれません。
飲み込みのメカニズム
人間は通常、息をするために気道が開いています。しかし、食べ物をしっかり噛んで飲み込むと、飲み込む瞬間に気道が閉じ、食道の入り口が開く仕組みになっています。人間の体は本当にすごいですね。
しかし、食べ物を小さくして噛まずに飲み込むと、のどに刺激が加わらず気道が閉じないまま食べ物が通過し、結果として気道をふさいでしまうことがあります。つまり、噛めないからといって食べ物を小さくしても、のどに詰まるリスクはなくならないのです。
噛むことの大切さ
のどに詰まらせないためには、よく噛んで口の中で飲み込める大きさにすることが重要です。噛むことは安全面だけでなく、消化吸収の効率を高めるためにも大切です。よく噛んで食べ物を細かく砕くことで、消化液との接触面積が増え、栄養の吸収が促進されます。
逆に、噛まないと唾液の分泌量が減り、唾液の消化作用が働かずに胃酸の分泌量が増え、結果的に胃を傷めたり、逆流性食道炎を引き起こすリスクがあります。
現代社会と食事習慣
現代では、柔らかい食べ物や噛まずに食べられるものが増えています。食事の時間が短縮され、簡単に済ませることが多くなり、サプリメントで栄養を補う方も増えています。しかし、だからこそよく噛むことの重要性を再認識する必要があると感じます。
ただし、ガムやスルメを一日中噛むことが良いわけではありません。噛むことはあくまで食事の時に重要であり、食事以外で過度に噛むことは別の問題を引き起こすこともありますので、注意が必要です。
根の治療に関する勉強会
もう一つ、勉強会では根の治療に関する細菌学についても学びました。私の出身大学の先生が特別講師としてお話しされ、非常に有益な内容でした。ただ、専門的な話が多かったので、また別の機会に簡単にわかりやすくお伝えできればと思います。どうぞ楽しみにしていてください。