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小児歯科

学校歯科検診後に虫歯が発見される理由と適切な対応方法

最近、学校の歯科検診などで引っかかった患者様が来院されることが増えました。

中には、定期的なメンテナンスを当院で受診されている患者様もおり、虫歯があることに疑問を感じられて質問を受けることがあります。その理由については、虫歯の進行度に起因するので、説明していきます。

虫歯の進行度と治療方法:COからC4まで

まず虫歯の進行度を表す方法にCOからC4というものがあります。

わかりやすく漫画にしたものがありますのでご参考にしてください。
Tooth!Navi(外部リンク)

表面に感染が見られるだけのCOから、歯の根だけが残っている状態のC4まで虫歯の重症度を表す指標です。この指標ごとに治療の方法は変わってきます。

CO

歯の表面のエナメル質が薄く冒されている状態で、ほとんど治療することなく、歯みがきとフッ素コートで対処することが多くなっています。

C1

歯の表面のエナメル質の奥まで侵されている状態で、穴が開き始めています。この段階になると患部を削る必要が出てきます。削ったあとにレジンと呼ばれる詰め物をして終わります。

C2

エナメル質の奥にある象牙質まで侵されてしまっている状態で、冷たいものがしみるなどの自覚症状が出てくる段階です。患部を削る治療に違いはありませんが、削る範囲が広いため、詰め物も大きくなり、型どりしなければいけません。

C3

虫歯が神経まで達し、激しい痛みを伴ってしまう状態です。この段階までくると、削るだけではなく神経を抜く治療(根管治療)が必要になってきます。治療後も詰め物ではなく被せものを作らなければいけません。

C4

神経は完全に壊死し、ひどい時には歯の根本だけ残っているような状態です。一時的に痛みはおさまりますが、歯の根の奥で炎症が続いており、膿がたまるなどしてより激しい痛みが戻ってきます。歯が残っていれば被せものを作ることもありますが、抜歯を勧められることも多いです。

以上が大まかな治療法になります。メンテナンスに通われている患者様はほとんどがCOであることが多く、経過観察している事が多いです。C1に移行すれば処置をしていく流れになります。

学校歯科検診の限界

学校検診では多くの子供を診察するため、どうしても流れ作業になることが多く、着色があったりCOの状態でも虫歯判定になりやすいです。

逆に、歯科検診後に来院され、「学校検診では虫歯なしだったのにどうして?」とおっしゃられる患者様もいらっしゃいます。それは、上の写真のように暗い中でしっかりとした診査ができないため、的確な診断が難しいことが原因です。学校歯科検診はあくまでスクリーニング検査(集団の中からある程度アバウトに怪しいものを抽出する方法)です。

定期的なメンテナンスの重要性

大人の歯に生え変わった歯は一度虫歯になるともう元には戻りません。やはり定期的にしっかりとお口の中を確認し、プロによる虫歯予防をしていただくことをおすすめします。

勿論、メンテナンスに来ていても虫歯になることはありますが、確率は大きく下がりますし、重症化する前に発見できるので簡単な治療ですむことがほとんどです。

メンテナンスにも当院は力を注いでおりますので、一度気になればお尋ねください。