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歯の豆知識
予防歯科
効果的な歯磨き剤の選び方とその成分の働き
皆さんは歯磨きをする際に歯磨き剤を使用していますか?今回は歯磨き剤についてのお話です。
歯磨き粉の変化
歯磨き粉は、かつて泡がブクブクして爽快感が強く、磨けていなくても磨いた気分になるため、歯磨きの邪魔になると言われていたり、研磨剤が歯に悪いという意見もありました。しかし、現代の歯磨き粉の多くは、予防のための有効成分が入った「医薬部外品」です。香料による清涼感と着色除去が主たる目的の「化粧品」だった時代とは全くの別物です。
フッ素の重要性
現在、国内で発売されている歯磨き剤の90%以上にフッ素が入っており、フッ素が入っているのはもはや「当たり前」と言ってよいほどです。これまで、フッ素が配合されている歯磨き剤は1,000ppmが上限でしたが、2017年3月には日本で1,500ppmを上限とする高濃度フッ素配合の歯磨き剤が厚生労働省により認可されました。
当クリニックにも1500ppmの歯磨き剤「Check UPスタンダード」を置いています!
(※1500ppmの歯磨き剤には年齢制限があります。永久歯が十分に成長していない6歳未満のお子様は、稀にフッ素症の恐れがあるため使用できません。)
歯磨き粉のさらなる進化
再石灰化(歯を修復する唾液の働き)を促進させる機能を持つ商品や、殺菌剤を配合した商品が次々と販売されています。また、研磨剤(清掃剤)についても粒子が非常に細かくなり、歯に優しく安全なものが使われています。このような進化により、歯磨き粉を使わない歯磨きは過去のものとなり、安心して使える時代になりました。
正しい歯磨きの重要性
フッ素入りの歯磨き粉を使っているからといって、必ずしも虫歯にならないわけではありません。ベタベタのプラーク(歯垢)に覆われていては、歯磨き剤の成分が十分に歯に届きません。歯ブラシでしっかりとプラークを落とし、成分を歯に届けることで歯磨き剤の効果を最大限に引き出しましょう。
歯磨き剤の効果
歯磨き剤を使用することで、以下の効果が期待できます。
・プラーク(歯垢)を効率よく除去
・プラークの再付着を防ぐ
・口臭を予防
・虫歯の発生と進行を防ぐ
・着色を防ぐ
歯磨き剤の成分とその働き
歯磨き剤の裏側を見ると、たくさんの成分名が書かれています。これらの成分には、それぞれ特定の役割があります。
虫歯予防
モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム
歯肉炎予防
塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン
歯周病予防
トラネキサム酸、塩化ナトリウム、塩化クロルヘキシジン
歯石沈着予防
ポリリン酸ナトリウム
歯垢分解
デキストラナーゼ
知覚過敏抑制
乳酸アルミニウム、硝酸カリウム
タバコのヤニ除去
ポリエチレングリコール
自分に合った歯磨き剤を選ぼう
歯磨き剤に含まれる成分を確認し、自分のお口の状態や悩みに合ったものを選びましょう!