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歯の豆知識
矯正治療
ブラケット矯正とマウスピース矯正の比較と特徴
矯正治療を希望される場合、大きく分けてブラケット(ワイヤー)矯正(=いわゆる金属と針金で行う一般的な昔ながらの矯正治療)かマウスピース矯正(=最近はやりのマウスピースで行う取り外し可能な矯正治療)かで悩まれる場合があると思います。
今回、それぞれの利点・欠点などの特徴を説明していきます。
ブラケット(ワイヤー)矯正の特徴
歯の表面にブラケット装置(金属もしくはセラミックの凸凹のもの)をつけて、その上に針金をつなげていきます。針金の力で歯が動いていきますが、取り外しはできません。歯並びを綺麗にするという治療目的は同じですが、装置によって過程は大きく異なります。
マウスピース矯正の特徴
日本においても近年急速に普及したマウスピース矯正治療ですが、代表的な装置の一つとして「アソアライナー」があります。今回は当院でも行なっているアソアライナーの特徴について確認していきます。
アソアライナーは、透明で見えないマウスピース矯正装置のため、矯正治療中の見た目や審美性も気にせず矯正治療が可能です。金属のブラケットワイヤーに比べて軽微ですが、マウスピースの装着時には締め付けられるような窮屈さを感じることもあります。しかし、食事や歯磨きの時など自分で取り外すことができ、痛みや違和感の少ない治療が行えます。
アソアライナーの利点と制限
マウスピース矯正は歯並びの凸凹を治すことを得意としますが、噛み合わせも治さなくてはならない場合には、治療できないこともあります。アソアライナーは前歯だけを動かす部分的な矯正のケースに限定して使用されます。
マウスピース矯正は、1つのマウスピースで移動できる歯の移動量が限られています(最大で約1mm)。そのため、適切な位置へ歯を移動させるためには数段階のマウスピースが必要です。
アソアライナーによる治療の流れ
アソアライナーは、毎回型取りの作業が必要になるため、月に1回の型取りとマウスピースの装着のために合計2回の来院が必要です。しかし、毎回最新の歯型を取ることで、精度の高い矯正治療が可能になります。
治療ステップ
① 診断・分析:アソアライナーによる矯正治療の適応か判断します
② 歯の型取り:セットアップ模型(歯の移動後の模型)製作、治療期間の推測をしてもらうために歯型を製作会社へ郵送
③ カウンセリング、承認:患者さまにセットアップ模型を確認いただき、治療計画と治療期間を同意のうえ、マウスピースを発注
④ 治療開始・アソアライナー装着:使用方法・注意事項を説明し、装着
⑤ 歯の型取り:装着後約半月で次ステップのアライナー製作のための型取り
⑥ 次ステップのアソアライナーのお渡し・装着
⑦ ⑤⑥を繰り返し、矯正治療ゴールへと進む
アソアライナーのメリットとデメリット
メリット
- 透明なマウスピースのため、目立たず日常生活を送れます
- 矯正治療特有の痛みや違和感を軽減できます
- ご自身で取り外し可能で簡単にケアができ、清潔性に優れています
デメリット
- つけ忘れがあると矯正・計画通りに歯の移動は起こりません
- 歯並びやかみ合わせの症状によっては適応できない場合があります
矯正していることがわかりづらく、短期間かつ安価で治療可能なため注目の矯正治療法ですが、適用症例が限られます。詳しくは医師にご相談ください。