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歯周病

知っておきたい 糖尿病と歯周病の関係とは?

塚口オオマチ歯科・矯正歯科、院長の大間知です。
本日は最近国が推奨している「医科歯科連携」、その中でも注目されている歯周病と糖尿病の関係について書かせていただきます。

糖尿病をお持ちの方は、歯周病が悪化しやすいことをご存じでしょうか? 実は糖尿病と歯周病には深い関係があり、お互いに影響を及ぼし合うことがわかっています。今回は、その理由と、歯周病の治療が糖尿病の改善にもつながる可能性について解説します。

 

糖尿病の方が歯周病になりやすい理由

・免疫力の低下

糖尿病による高血糖状態が続くと、免疫機能が低下し、歯周病の原因となる細菌に対する抵抗力が落ちてしまいます。その結果、歯ぐきの炎症が進行しやすくなります。

 

・口腔内の乾燥

高血糖の影響で体内の水分バランスが崩れると、脱水状態になりやすくなります。これにより唾液の分泌が減少し、口の中が乾燥することで歯周病菌が繁殖しやすくなるのです。

 

糖尿病の方の歯周病リスク

研究によると、HbA1c(ヘモグロビンA1c)が6.5%以上の2型糖尿病の方は、健康な方に比べて歯周病のリスクが1.17倍高まることが明らかになっています。これは、糖尿病が歯周病の発症や進行に大きく関わっていることを示すデータです。

 

歯周病治療が糖尿病改善につながる?

近年の研究では、歯周病の治療が糖尿病の血糖コントロールに良い影響を与えることがわかってきました。特に、日本糖尿病学会もこの関係を認めており、糖尿病患者の方に対する歯周病治療を推奨しています。
この事から2024年の保険の改定で医科歯科連携を推奨する動きが出ています。糖尿病や歯周病などの生活習慣病の治療や重症化を防ぐ事が国の医療費を大幅に下げるとわかっているからです。
つまり、国民の健康の為に、歯周病と糖尿病の予防まで国が税金を使って健康保険の範囲内でやる事を認めてくれているのです。

具体的には、スケーリングやルートプレーニング(歯石除去・歯根の清掃)といった基本的な歯周病治療を行うことで、HbA1cが0.29~0.66%低下するという研究結果があります。この数値は、糖尿病の薬を一種類服用し続けるのと同程度の改善効果があるとされています。

歯周病も糖尿病も重症化するとほぼ死ぬまで治りません。
国を上げて予防を推奨しているこのタイミングで歯周病と糖尿病の治療、そして予防をしていきましょう。

 

歯周病治療のメリット

糖尿病の治療において、血糖値の管理はとても重要です。歯科医院での歯周病治療は、糖尿病薬に頼ることなく血糖コントロールを助ける可能性があります。さらに、歯周病治療は毎日行う必要がなく、初期の治療後は定期的なメンテナンスを行うことで良好な状態を維持できます。

また、経済的な面でもメリットがあります。糖尿病の薬を年間服用すると4~7万円程度の費用がかかるのに対し、歯周病の治療はそれほど高額にはなりません。そのため、歯周病治療を受けることで、医療費の節約につながる可能性もあるのです。

 

糖尿病の方が注意すべきポイント

糖尿病をお持ちの方が歯周病治療を受ける際には、いくつかの注意点があります。

 

・日常の口腔ケアの徹底

糖尿病の方は特に歯周病になりやすいため、毎日の歯磨きを丁寧に行い、歯科医院での定期検診を受けることが大切です。
ただし、1〜3ヶ月に一回の定期検診では歯を絶対に守りきれません。日々の歯磨きの徹底が一番大事です。僕ら歯科医師や歯科衛生士ですら完璧に磨ける人の方が少ないですので、まずはご自身の毎日の歯磨きがしっかりと出来ているかのチェックをしてもらうようにしていきましょう。

 

・抗生剤の使用について

血糖コントロールが不安定な方は、治療前に抗生剤を服用することが推奨される場合があります。これは糖尿病の方は感染症にかかりやすく、傷の治りが遅いためです。

 

・血液サラサラの薬を服用している方

抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を服用している方は、治療中に出血しやすい可能性があります。しかし、最近では薬を中断せずに治療を進めるケースが増えており、主治医との連携のもとで適切な対応が行われます。その為、医科との連携のための医科へのお手紙をお渡しする場合が多いです。お手紙を受け取った方は、必ずかかりつけのお医者さんにお渡し頂き、医科の先生からお手紙をもらってきていただく事をお願い致します。

 

・治療期間は短縮傾向に

糖尿病の方は歯周病が再発しやすく、歯ぐきの出血が多い傾向があります。そのため、治療期間を短縮し、こまめなメンテナンスを行うことが推奨されます。

 

歯ぐきの出血は歯周病のサイン

「歯磨きをすると歯ぐきから出血する」という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか? しかし、ほとんどの方は特に気にせず、そのままにしてしまいがちです。

歯ぐきからの出血は、歯周病の初期サインです。放置すると歯を支える骨が溶け、最終的に歯を失ってしまうことになります。むし歯よりも深刻な病気でありながら自覚症状が少ないため、早めの対策が重要です。

 

まとめ

糖尿病と歯周病は密接に関連しており、糖尿病の方は歯周病のリスクが高まるだけでなく、歯周病の治療が糖尿病の改善にもつながる可能性があります。定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを行うことで、健康な歯と全身の健康を守りましょう。