塚口オオマチ歯科・矯正歯科院長の大間知です。
今回は「口内炎ができやすい・唇がよく切れる…口が開きやすい子の“乾燥サイン”」というテーマでお話しします。
お子さまの口の中や唇が荒れやすいと、「体質かな」「ビタミン不足かな」と心配になりますよね。
もちろん栄養や体調も関係しますが、実は“口が開いている時間が長いこと”が、乾燥や傷の大きな原因になっているケースも少なくありません。
このブログでは、乾燥が起きる仕組み、よくあるサイン、家でできるケア、そして受診の目安までをまとめさせていただきます。
目次
口が開きやすい子に多い「乾燥サイン」とは
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ここで言う「乾燥サイン」とは、口の中や唇が乾いて荒れやすくなっている状態のことです。
代表的には次のようなサインがあります。
- 口内炎が繰り返しできる
- 唇がカサカサする、皮がむける、切れて血がにじむ
- 口角が切れる
- 朝起きたときに口が乾いている、のどが痛い
- 歯ぐきが腫れやすい、歯みがきで出血しやすい
どれも「よくある悩み」ですが、乾燥が続くと治りが遅くなり、痛みで食事や歯みがきが辛くなることもあります。
乾燥が続くと起こりやすいお口トラブル
「たかが乾燥」と思われがちですが、乾きやすい状態が続くと、お口の中のバランスが崩れやすくなります。
たとえば、唾液が少ないと汚れが流れにくくなるため、むし歯・歯肉炎(歯ぐきの腫れ)のリスクが上がることがあります。
更に、のどの粘膜も乾きやすくなり、風邪を引きやすい・咳が続きやすいといったお悩みにつながることもあります。
そして、お子さまに多いのが「痛いから歯みがきが雑になる→汚れが残る→さらに荒れる」という悪循環です。
だからこそ、早い段階で“乾燥の原因”をつかんでおくことが大切です。
口内炎ができる原因
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口内炎は、乾燥以外の理由で起こることもあります。
原因が重なっているケースも多いので、当てはまるものがないか確認してみましょう。
- 頬や唇を噛みやすい:歯並びの凹凸や噛み合わせで、同じ場所を繰り返し噛んでしまう
- 尖った歯・詰め物の段差:こすれて粘膜が傷つく
- 疲れ・睡眠不足:体の回復力が落ち、治りが遅くなる
- 口の中の清潔が保ちにくい:痛みで歯みがきが不十分になる
「毎回同じ場所にできる」「噛んだ覚えがある」という場合は、歯の形や噛み合わせのチェックで改善することもあります。
なぜ乾燥すると、口内炎や唇の傷が増えるの?
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口の中は本来、唾液でうるおっています。
唾液は乾燥を防ぐだけでなく、汚れを流したり、細菌の増えすぎを抑えたり、傷の回復を助けたりする役割があります。
ところが、口が開いていると、口の中に乾いた空気が入りやすくなり、唾液が蒸発してしまいます。すると、粘膜がカサつき、
- ちょっとした刺激(食べ物・歯ブラシ・頬の内側を噛むなど)で傷つきやすい
- 傷が治りにくく、口内炎として残りやすい
- 唇の表面が割れて、切れやすい
という流れが起きやすくなります。つまり、乾燥は「傷ができやすい土台」になってしまうのです。
口が開く原因はひとつじゃない
「口が開きやすい=だらしない」ではありません。多くの場合、いくつかの要因が重なっています。
鼻づまり(アレルギー・風邪・鼻炎)
鼻が通らないと、無意識に口で呼吸します。
花粉の季節や、風邪のあとに口が開きやすくなるお子さまは多いです。寝ているときの口呼吸は、ご家族が気づきやすいサインです。
唇を閉じる力が弱い
唇は「ぎゅっ」と強く閉じるのではなく、上下が自然にそっと触れるのが理想です。
口の周りの筋肉がうまく使えないと、ぼんやりしているときに口が開きやすくなります。
舌の位置が低い
舌は本来、上あごに軽く触れているのが安定した位置です。
舌が下がると、口が開きやすくなり、飲み込み方も乱れやすくなります。舌の位置は、歯並びやあごの発育とも関係します。
姿勢(うつむき・猫背)
タブレットやスマホ、勉強でうつむき姿勢が続くと、あごが引けて口が開きやすくなります。姿勢は「呼吸のしやすさ」ともつながっています。
ご家庭でできるチェック
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次のチェックは、責めるためではなく「今の状態を知るため」のものです。いくつ当てはまるかを、軽い気持ちで見てみてください。
- テレビや宿題中、口がぽかんと開きやすい
- 寝ているときに口が開いている、いびきがある
- 朝、口やのどが乾いていることが多い
- 唇が年中荒れやすい/口角が切れやすい
- 口内炎が繰り返しできる
- 鼻が詰まりやすい、鼻をよくすすっている
複数当てはまる場合は、乾燥対策だけでなく「口が開きやすい原因」も一緒に整えると、再発しにくくなることがあります。
今できること
まずは、痛みや荒れを減らして「治りやすい環境」を作ることが大切です。
難しいことは不要で、できるところからで十分です。
唇の保護(こすらない・薄く保湿)
唇は、なめるほど乾きやすくなります。
荒れているときは、こすらず、リップクリームを塗って保護しましょう。
食後や寝る前など、タイミングを決めると続けやすいです。
口内炎の刺激を減らす
熱すぎるもの、辛いもの、酸っぱいものはしみやすいので控えめに。
歯みがきはやめずに、痛い場所を避けてやさしく磨きます。
うがいは強くやりすぎず、口の中を乾かしすぎないようにしましょう。
寝室の乾燥を減らす
夜に悪化しやすい場合は、加湿や寝る前の水分補給が役立ちます。
鼻が詰まりやすいお子さまは、入浴で温める、寝具のほこり対策をするなど、鼻の通りを整える工夫も大切です。
「治してもまたできる」場合は、原因側も見直す
口内炎や唇の傷は、対症的なケアで一時的に良くなることが多い一方で、口が開きやすい状態が続くと、同じ場所が繰り返し傷つきやすくなります。
当院では、歯並びだけを見るのではなく、呼吸・舌の位置・飲み込み方・唇の閉じ方といった「お口の使い方」も一緒に確認します。必要に応じて、耳鼻科的なチェックが優先になる場合もあります。
年齢ごとに“今できること”を大切にしており、3〜5歳はまず生活習慣とお口の育ち(口の使い方)を整えること、6〜9歳は成長を活かしてお口の機能を整える小児矯正(マイオブレース)を検討、10歳以降は永久歯がそろってから必要に応じて別の矯正方法をご提案する、という流れが基本です。
「乾燥や荒れが出ている今」は、体からのサインです。
今のタイミングで原因を整理しておくと、後から楽になることが多いです。
受診の目安
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次のような場合は、自己判断で長引かせず、早めにご相談ください。
- 口内炎が2週間以上なかなか治らない
- 痛みで食事や水分がとれない、体重が減ってきた
- 発熱を伴う、全体に広がる、白い苔のようなものが強い
- 口角の切れが何度も繰り返す、出血やただれが続く
- 鼻づまりが強く、睡眠の質が落ちている(いびき・途中で起きる など)
原因が「乾燥だけ」ではないこともあります。
お口の中を実際に見て、必要があれば適切な機関と連携しながら進めます。
まとめ
口内炎や唇の切れやすさは、体調や栄養の影響もありますが、口が開きやすい状態が続くことで、乾燥が起き、傷が増えることがあります。
唇の保護や寝室の乾燥対策で楽になることも多い一方、繰り返す場合は「鼻づまり」「唇」「舌」「姿勢」など、原因側を一緒に整えることが再発予防につながります。
「最近、口内炎が多い」「唇がいつも荒れている」「口が開いている気がする」など、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
お子さまに合った“今できること”を一緒に整理していきましょう。
