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歯の豆知識
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「歯磨きしてたら歯ぐきから血がでた」ほっといて大丈夫?
兵庫県尼崎市南塚口町にある歯医者、塚口オオマチ歯科・矯正歯科の院長 歯科医師の大間知 資雄です。
当院では、一本でも多くの歯を、長く大切に使ってもらう為の治療に力を入れています。
【糖尿病の方が、歯ぐきから出血するということ】
今回は「なぜ歯ぐきから出血するのか?」についてご説明しようと思います。
僕もちょいちょい歯磨きしてる時に歯茎から血が出ることがあります。
ほとんどの方は、歯ぐきから血が出たとしても危機感はなく、そのまま過ごされていると思います。
血が出ているだけで、痛くもないですし、普通にお食事もできるからです。
しかし、この「歯ぐきから出血する」というのは、歯周病の始まりのサインです。
実は、見逃してはいけない・ 放っておいてはいけないサインである事も多いです。
改めて 歯周病についてお話をさせていただきます。
まず、歯周病は、歯ぐきの病気ではありません。
「えっ?歯ぐきから血が出たり、歯ぐきが腫れたり 赤くなったりする病気でしょ?!」と思われる方がほとんどだと思いますが、
実際には、「歯を支える骨が溶けて、最後は歯が抜けてしまう病気」 これが歯周病です。

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むし歯よりもよっぽど怖い病気です。
「えっ?骨が溶ける?!こわっ!!!」と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、歯周病になったからといって、いきなり歯を支える骨が溶けて、急に歯が抜けてしまうわけではありません。
どの病気も同様に、初期症状があります。
歯周病にとってのその初期症状が「歯ぐきから出血する」ということなのです。
ですので歯ぐきから出血することを放置すると、数年後には歯が抜けてしまう可能性もあります。
ただ、歯ぐきから出血があっても、1週間後にいきなり歯が抜けるわけではありませんのでご安心ください。
では、「歯ぐきから出血する」とはどういうことでしょう?
それは、「血管が破れて穴が開いている状態」です。
そこに「ばい菌が入り放題、入ったばい菌は全身を駆け巡る状態」なのです。
ですから、歯ぐきから出血する、特に毎回のように出血するとか、長期間出血するというのはとても良くない状態なのです。
もし、指や足を怪我して血が出た時には、何かをされると思います。
消毒をしたり、 絆創膏を貼ったり、 処置をすると思います。
あるいはそのまま放置しておくこともありますね。 それは、いつか勝手に傷口が塞がるというご経験がおありになるからだと思います。
しかし、歯ぐきからの出血はどうでしょうか?
指や足の時の出血よりも、無頓着になりがちではないでしょうか?
それは、
・歯ぐきからの出血を放置しておくと、より重大なことになることを軽く見ているか
(皆様のお話を聞いていると、ほとんどの方はそう思われていると推測します。実際に自分も歯を勉強をするまではそうでした。というか歯医者になった後でも予防歯科や歯周病の勉強をするまでは軽く見ていました。)
・「怪我みたいなもんだし、放置しておくと勝手に治まるだろう」と考えられているか
・「見えないとこだし良いか」と思われているか
のどれかだと個人的には推測しています。
ただ、知っている方も多いとは思いますが、口の中には何兆個ものバイ菌(歯周病菌、虫歯菌、カビ菌など)がいます。
1mm x 1mm x 1mmの空間に100億個もの菌がいると言われています。
信じられない方は当院で位相差顕微鏡というものがありますので、是非ご自身のお口の中の菌をご確認ください。
歯ぐきの破れた部分から歯周病菌が入り、それが全身に駆け巡ると(例えば)糖尿病の原因になります。
血糖のコントロールをするインスリンの働きを邪魔することにより、 歯周病からの糖尿病を誘発してしまいます。
これは逆に言うと、歯周病の治療や管理をすると、血糖のコントロールが良くなり糖尿病の改善につながるということです。
つまり!歯周病はもはや、歯ぐきや歯を支える骨だけの病気ではありません。体全体のために、口腔ケアをしていきましょう。
(参考)・日本歯科医師会 歯周病と糖尿病の関係
https://www.jda.or.jp/park/relation/periodontaldisease-diabetes_02.html