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歯の豆知識
インプラント
インプラント症例:59歳女性のケース
目次
初診時の状況
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症例概要
- 患者:女性
- 年齢:59歳
- 主訴:奥の歯が無くて噛みづらい、以前作った入れ歯では噛めない
- 治療部位:
- 右下第一大臼歯・第二大臼歯
- 左下第一大臼歯・第二大臼歯
- 治療期間:約3年間
問診
患者様は「奥歯がなくて食事がしづらい」とのことで来院されました。以前、他院で部分入れ歯を作製してもらったそうですが、「違和感が強く、結局ほとんど使わなくなってしまった」とのことでした。
特に、
- 硬いものが噛めない
- 食事中に入れ歯が浮く感じがする
- 異物感が強く気持ち悪い
- 食べ物が入れ歯と歯ぐきの間に挟まる
- 会話中にズレる感覚がある
といった悩みがあり、食事そのものがストレスになっていたそうです。
また、奥歯でしっかり噛めないことで前歯や片側ばかりを使う癖がついており、「昔のように両側でしっかり噛めるようになりたい」という希望を持っておられました。
初診時には「まずは入れ歯を新しく作り直したい」と希望されていましたが、カウンセリングを進める中で、
- 入れ歯
- ブリッジ
- インプラント
それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく説明を行いました。
その結果、患者様は「できるだけ自分の歯に近い感覚で噛みたい」「これ以上他の歯に負担をかけたくない」と考えられ、インプラント治療を選択されました。
口腔内所見
診査では、左右の下顎奥歯(第一大臼歯・第二大臼歯)が欠損していました。欠損してからかなり長い期間が経過していたため、歯槽骨には一定の退縮が認められました。
通常、歯を失うと歯を支えていた骨は徐々に痩せていきます。特に奥歯を長期間失ったままにすると、インプラントを支えるための骨量が不足するケースも少なくありません。
しかし、CT撮影による精密検査を行った結果、骨の高さや幅は十分に残っており、大規模な骨造成を行わなくてもインプラント埋入が可能であると判断しました。
また、長期間奥歯がない状態だったため、噛み合わせ全体のバランスが崩れており、対合歯の挺出や咬合の乱れも見られました。そのため、単純にインプラントを入れるだけではなく、咬合全体を整えながら慎重に治療を進める必要がありました。
治療内容
1. 治療計画の立案
まずCT撮影を行い、骨の状態や神経との距離を確認しました。
今回のケースでは、左右の奥歯4本分にインプラント治療を行う必要があったため、
- 埋入位置
- 噛み合わせの高さ
- 上部構造の設計
- 清掃性
を総合的に考慮しながら治療計画を立案しました。
患者様には治療期間が長くなることや、複数回に分けて手術を行う必要があることも説明し、ご納得いただいたうえで治療を開始しました。
2. インプラント埋入手術
局所麻酔下でインプラント埋入を行いました。
今回は本数が多かったため、患者様の負担を考慮し、数回に分けて施術を行いました。事前に作成したサージカルガイドを使用し、安全かつ正確に埋入位置を決定しました。
患者様は「手術はかなり痛いのではないか」と強い不安を感じておられましたが、実際には出血も少なく、手術時間も想像より短時間で終了しました。術後の腫れや痛みも大きな問題なく経過しました。
3. 治癒期間と咬合調整
インプラントは埋入後すぐに強く噛めるわけではなく、骨としっかり結合するための治癒期間が必要です。
今回の症例では本数が多く、さらに長期間欠損していたことで咬合バランスも変化していたため、仮歯を使用しながら慎重に咬合調整を進めました。
奥歯は咀嚼時に非常に強い力がかかる部位です。そのため、少しでも噛み合わせにズレがあると、インプラントや周囲の歯に負担が集中してしまいます。
そのため、治療中は何度も噛み合わせの確認と調整を行い、左右均等に力が分散されるように調整しました。
4. 上部構造の作成・装着
インプラントと骨の結合が安定した段階で、最終的な上部構造(被せ物)の型取りを行いました。
今回は審美性と強度を考慮し、セラミック素材を使用しました。自然な歯の色味や形態を再現し、違和感のない仕上がりとなりました。
装着後は、左右両側でしっかり噛めるようになり、患者様も「久しぶりに奥歯で食事ができる」と大変喜ばれていました。
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治療後の経過
治療完了後は、以前のような「噛みにくさ」や「入れ歯の違和感」がなくなり、快適に食事ができるようになりました。
特に、左右両側でしっかり噛めるようになったことで、
- 食事の時間が楽しくなった
- 硬いものを避けなくてよくなった
- 食べ物をしっかり噛めるようになった
- 食事中のストレスがなくなった
といった変化を実感していただけました。
また、治療を通じて患者様の口腔内への意識も大きく変化しました。以前は「痛くなった時だけ歯医者へ行く」という状態だったそうですが、現在では定期的なメンテナンスにも積極的に通われています。
患者様の感想
「保険外診療は高額のイメージがありましたが、インプラント・セラミック治療をやってみて良かったと思っています。
メンテナンスもちゃんと期間ごとに行ってもらうようになって、今までは痛くなったりしないと歯医者さんには来ることなかったのに、意識が上がり、歯って大事だと感じるようになりました。
食事も美味しくいただけるようになって、本当に良かったと思います。」
インプラントの良さ(今回のケースから)
- 入れ歯のような違和感が少ない
- しっかり噛めるため食事が快適になる
- 両隣の歯を削らずに治療できる
- 見た目も自然で違和感が少ない
- 咬合バランスを回復できる
長持ちさせるためのポイント
インプラントは天然歯に近い機能を持ちますが、長持ちさせるためには日々のケアが欠かせません。
今回の患者様にも、
- 毎日の歯磨き
- 歯間ブラシやフロスの使用
- 定期的なメンテナンス
- 噛み合わせチェック
の重要性について説明しました。
インプラントは虫歯にはなりませんが、清掃が不十分だと「インプラント周囲炎」という歯周病に似た病気になることがあります。そのため、治療後のメンテナンスが非常に重要です。
まとめ
今回の症例では、長期間奥歯を失い、入れ歯では十分に噛めなかった患者様に対して、左右下顎大臼歯部へのインプラント治療を行いました。
治療期間は約3年間と長期になりましたが、最終的には左右でしっかり噛める状態を回復し、患者様にも大変満足していただくことができました。
インプラントは「しっかり噛みたい」「入れ歯が合わない」「食事を楽しみたい」という方にとって、非常に有効な治療法です。奥歯の欠損でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。