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正しい「歯」の守り方知っていますか?

2017年04月15日

歯科衛生士が監修した、歯に関するまとめ記事

2016年、民間療法や科学的根拠に欠けたヘルスケアに関する記事がインターネット上に公開され問題になりました。ニュースにも取り上げられたこのまとめサイト記事は非公開になり、一段落しました。

とは言え、「重曹うがい」など、歯科医師や歯科衛生士の監修がない荒業が未だネット上で見かけられるのも事実です。民間療法が100%悪だとは言い切れませんが、メリットとデメリットを知った上で利用してもらいたいのが本音です。その思いから筆を取ったのがこの「歯科衛生士 監修のまとめ記事」です。

記念すべき第1回は、「歯磨きのホームケア」について記します。

歯ブラシでは絶対に落とせない歯垢がある

残念なことに、歯ブラシだけではお口の中を守ることはできません。それは何故だかご存じでしょうか。理由はとてもシンプルで、歯ブラシだけでは絶対に歯垢を落とせないところがあるからです。

では、その歯垢が落とせない場所とはどこなのかと言うと、歯と歯の間。いわゆる歯間(しかん)というところです。

歯間は歯ブラシが絶対に届かないところにあります。

歯間に歯垢が残ることで、歯周病や虫歯の原因となります。歯の表面はツルツルとキレイなのに、歯と歯の隙間が虫歯になって歯医者に来院されるのは、およそこのパターンではないかと考えられます。

そして、その対策として歯間清掃道具を日常的に使うことをオススメします。

歯間清掃道具 歯間ブラシとフロス

歯間ブラシは、歯と歯の隙間が大きい人向けの清掃道具です。その名の通り棒の周囲にブラシが付いている形をしています。歯間ブラシにはサイズがありますので、間違ったサイズを使うと効果が薄くなります。どのサイズが適しているかは、歯科衛生士にご相談ください。

これに対してフロスは、歯と歯の隙間がない人向けです。

こちらはナイロンなどで出来た糸状の清掃道具です。フロスには大きく2パターンあって、プラスチックの持ち手がついた「糸ようじ型」とお好みで切って指にまいて使う「指巻き型」が有ります。

私たちがよくおすすめするのは「指巻き型」です。「糸ようじ型」は歯間に特化した形をしていますので、歯の表面は磨けません。それに比べ、指巻き型は操作さえマスターすれば歯垢を完璧に落とすことができます。

いずれにせよ隙間の大小によって向き不向きが有りますので、歯間ブラシかフロスかどちらを使うかは歯科衛生士に相談されるのが確実です!

歯ブラシ以外が普及していないのは日本だけ!?

ただ残念なことに、日本では歯間清掃が一般的化されていないのが現実です。

「歯間ブラシとか面倒だ」「フロスっていちいち手間がかかる」

こういった意見が多いのが現実です。

確かに幼いころから歯ブラシのみでケアをしてきた習慣があるので、ここにプラスするのは簡単ではありません。

実は欧米を見ますと、歯間清掃はとてもポピュラーです。これは保険診療の制度が異なることが原因の一つと考えられます。海外では保険料負担の割合が異なったり、そもそも国民全員の保険加入が義務付けられていない国もあります。

例えばアメリカでは、1本の虫歯のため神経を抜くとなると$500程度かかります。1ドル110円で計算してもざっと55,000円かかる計算になります。保険に加入していても半分の$250(約27,500円)が自己負担です。

さらにレントゲンを撮影したり、薬を処方したり、かぶせものを付けたり。

実質1本の虫歯治療に10万円以上必要になります。この高額な治療費を知っているからこそ、虫歯にならないようにお口の中を徹底的にケアしていると言えます。そこで、虫歯にならないためのケアに欠かせないのが、さきほどからお伝えしている歯間清掃です。

日本以外の先進国では、歯を守るのに歯間清掃が、当たり前の習慣になっています。

「いや、ここ日本だし。」って思った方、そのお気持ち凄く分かります。

「お国の文化・習慣の違い」では有りますが、「虫歯になること」と「ある一定ラインの虫歯からは自己再生できない」という2点は人類みな共通です。

同じヒトの、同じ「歯」のことです。それにも関わらず日本人に歯間清掃はポピュラーではありません。できることなら今お父さんお母さんの世代から試しに使っていただきながら、お子さんの歯磨きに歯ブラシ+歯間清掃をしてあげて欲しいと望みます。

幼いころから親にしてもらっていたら、より多くの人が歯間清掃を常識のものとして考えてくれるように思うからです。

お子さんの歯磨きケアはいつからいつまで?

特にお子さんの場合、乳歯の段階で虫歯ができても「どうせ永久歯に生え替わるんだから」と思っていませんでしょうか。

実は全く逆で、永久歯に甚大な被害を及ぼします。

乳歯で虫歯になると歯磨きの精度が低いことを意味しています。すると成人する前に永久歯が虫歯になる人が多いです。特に乳歯の虫歯は黒色ではなく白く変色するものが多く、お子さんが痛みに気付きにくいため、虫歯の発見が遅れがちになります。

乳歯の虫歯が原因で本来より早く抜けてしまうと、奥の歯が徐々に前方に動き始めてしまいます。すると永久歯のスペースが十分に確保できず、変な方向から生えたりずれてしまったり、結果、歯並びが悪くなります。

お子さんの歯に虫歯はありませんか?

お子さんの歯磨き跡をチェックしたり、仕上げ磨きを手伝ってあげていますか?

乳歯が生え始める生後8ヶ月前後から歯磨きをスタートし、奥歯が生え始める1才6ヶ月からは、お父さんお母さんが歯磨き+歯間清掃をしてあげてください。

いつまでという期限はありません。お子さんがお一人で磨いた後、磨き残しがないと分かれば辞めて大丈夫です。

どう磨いてあげるか、磨き残しはどうやって見つけるのかは、歯科医師や歯科衛生士にぜひ相談してください。

私たちは親子で歯を大切に考える人たちを、精一杯サポートしていくために居るのですから。