手術前だからこそ知ってほしいことがあります。インプラント治療は、人間の生体反応を利用した人工物です。高価であっても、天然の歯より頑丈というわけではありません。骨とインプラントがくっつくまでや歯ぐきの治りを待つ時間が必要です。長期間のご不便をともないます。ここでは、手術前後の制限についてもご案内しています。治癒の早まりだけでなく、手術の成功にも大きく影響してきます。インプラント手術前にもご確認くださいますようお願いしております。

インプラント治療の可否

インプラント治療は外科手術によって行われます。手術ができるか否かは、まず患者さまのお体が健康かどうかに関わります。

現在、病院にかかってはいないでしょうか?
服用されているお薬はありませんか?

上記以外にも、アレルギーをお持ちの方や、過去に歯科治療で気分が悪くなった方など些細なことも実は影響を及ぼす場合がございます。小さなことでも結構ですので、是非ともお聴かせください。

手術前から始まるさまざまな制限

喫煙は、手術の前後 1 週間ずつは必ずお控えください。

願わくは、禁煙生活を持続してください。喫煙は血流を阻害するので傷口の治りに大きく影響してしまいます。特に、造骨や人工膜を使っての処置が入ると、その成功にも関わってしまいます。

飲酒も前後１日はお控えください。

喫煙の危険性

喫煙は、インプラントが骨に埋まっている部分、その周りの骨、歯ぐきに多大なダメージを与えます。手術の難易度によっては、禁煙して頂かなければできないものもございます。それほど喫煙はインプラント治療の成功に大きく影響し、インプラントが抜ける危険が増します。

喫煙者とハードクレンチャー(噛み合わせが強い人)はインプラントの補償制度の対象外になります。

ガムの危険性

ガムはインプラントの頭 (歯として噛み合うかぶせ物) の部分に必要以上の力をかけてしまいます。通常、1 本の歯で 1 度噛むごとに人の体重と同じくらいの力がかかると言われています。また上下の歯の噛み合わせる時間は、日常生活の中で 1日 15分以内とも言われています。ガムを噛む行為はこの回数と力を超えるきっかけとなり、インプラントの寿命を縮めてしまいます。

これらが精神的なリラックスを与えてくれることは否定できません。しかしながら、一度体内に入った人工物にとっては危険な物となってしまうことをご理解ください。
注意事項をお守りになれない方はインプラントの補償制度の対象外になります。

手術前後の1週間の食べ物について

砂糖などの甘味食品、餅や芋、穀物などの糖質食品の多量摂取は、体の抵抗力の源となる白血球の食菌能力を大幅に低下させます。傷口が化膿して、腫れや痛みの原因になり、治癒能力が下がります。手術前7日間、手術後の7日間、計14日間はお控えください。

好物などは手術前日までにお召し上がりください。 傷口に対する刺激 (辛みだけでなく揚げた衣など) も、痛みや腫れの原因、治癒の遅れ、縫っている糸がほどける要因になります。インプラント治療の予後には、初めの傷口の治りが大きく関与するため、ご理解ください。

なお、手術当日 お口周りのお化粧はお控えください。

当院パウダールームでお化粧落としをなさる場合は、ご予約より早めにお越しくださいますようお願い致します。