歯を失った後に放置するのが危険な理由

塚口オオマチ歯科・矯正歯科、院長の大間知です。
本日は「歯を失った後に放置する事の危険性」について書かせていただきます。

歯を失った際、治療を受けずにそのまま放置してしまう方がいます。しかし、歯を失った状態を放置することは、口の健康や全身に様々な悪影響を及ぼすリスクがあるのです。今回は、歯を失った後に放置することがなぜ危険なのか、その理由をご紹介します。

抜けた歯の隣の歯が動いてくる

歯は、互いに支え合って正しい位置に並んでいます。しかし1本でも歯を失うと、そのスペースを埋めようとするかのように隣の歯が徐々に動いてきてしまいます。特に上下の歯が噛み合っていることでバランスが保たれていますが、失った歯があると、接する歯や噛み合う歯が倒れたり、伸びてしまったりすることがあります。このような歯の移動は歯並びや噛み合わせに悪影響を与え、矯正治療が必要になるケースも少なくありません。

噛み合わせが変わる

歯を失うと、噛み合わせ全体が変わってしまいます。さらに、噛む力のバランスが崩れ、特定の歯に過度な負担がかかることになります。これにより健康な歯や歯茎にもダメージを与え、他の歯も次第に痛みやすくなったり、抜けやすくなったりするリスクが高まります。噛み合わせが変わることで食べ物をうまく噛むことができず、消化にも悪影響を及ぼす可能性もあります。結果として、消化不良や胃腸の不調といった体全体の健康問題につながることもあるので注意が必要です。

顎関節に負担がかかる

歯を失ったまま放置すると、噛み合わせが変わるだけでなく顎関節にも負担がかかります。噛む動作が不均衡になることで顎の筋肉や関節に過度なストレスがかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。顎関節症は、口を開けるときに痛みを感じたり、口が開きにくくなったりする症状を伴います。さらに頭痛や肩こりなど全身の不調にもつながり、日常生活に支障をきたすことがあります。

顎の骨が痩せていく

歯が抜けると、その部分の顎の骨は徐々に痩せていきます。通常であれば歯がしっかりと顎の骨に埋まっていることで、骨は刺激を受けて健康を保っています。しかし歯がなくなるとその刺激が失われ、骨の退縮が進行してしまうのです。この現象は「骨吸収」と呼ばれ、特に長期間にわたり歯を失ったままにしておくと顕著に現れます。骨が痩せると将来的にインプラントなどの歯科治療を受ける際に難しくなり、骨を増やす手術が必要になるケースもあります。また、顔の輪郭が変わって老けた印象を与える原因にもなります。

まとめ

歯を失った後に放置することは、多くのリスクを伴います。これらの影響は口腔内だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、歯を失った場合はできるだけ早めに適切な治療を受けることが重要です。

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